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「たしかに、アップルには、ウィンドウズ上でビデオやオーディオを再生するならダイレクトXを使ってほしいと思っていました」E氏は認めた。 M氏が予想された攻撃を仕掛けてきた。
E氏がアップルに圧力をかけて、ウィンドウズ版クイックタイムの開発から手を引かせようとしたという件と、マイクロソフトが自社のOSに悪錬なコードを挿入して、アップルのメディアプレイヤーの動作を妨害しようとんでした。 E氏がいくらか善戦したとしても、あとに続いたふたりの証人がそれを帳消しにしてしまった。
M社の上級管理者で、コンピュータメーカーとの取引を管理している、ドイツ生まれのY氏は、あまり完壁とはいえない英語で、わざと混乱した返答をしているのではないかという印象を多くの人にあたえた。 もっとひどかったのが、M社でJAVA関連の作業を監督しているG氏だった。
彼は、B氏が書いた、「わたしは(サン・マイクロシステムズから来たテクノロジーーを)サポートしないという点では強硬派だ」という文章の意味について、判事の考えはまちがっているといった。 ほんとうは、まるっきり正反対なのだと。
G氏がさらにわけのわからない弁明をまくしたてると、判事は片手で自分の顔をおおい、反対の手をG氏に向かって突きだした。 「よせ!やめてくれ!」判事は10分間の休廷を宣言して、どすどすと法廷から出ていった。
あのときは、アップルとG氏から裏切られた気がしたものだった。 「G氏の奥さんは、わたしの友人です」E氏は続けた。
わたしの気持ちもわかってください。 こんな話をするのはつらいことなんです。
判事がうなずいた。 気の毒なことだったな。

この日はM氏にとって悪い日だった。 そして、非常に珍しいことに、M社にとってはいい日だった。
おそらく、M社がみずから選んだ証人たちを証人席に送りこみはじめてからは、同社が勝利をおさめたのはこれがはじめてだった。 M社のエデルマン弁護士による、あまり盛りあがりのない再尋問のあと、E氏は午前11時47分に退廷した。
マイクロソフトは、残ったふたりの証人を金曜日までに召喚し、法廷はそこから長期の休廷にはいることにした。 そんな騒ぎにも、E氏はほとんど関心がなかった。
彼は拷問室でつとめを果たしたのだ。 ここから先はお祝いだ。
法廷の外へ出ると、ダイレクトXの大ベテラン、P氏が、E氏の肩をぽんと叩いた。 「最高だったよ」P氏は、E氏のポケットをさぐって、表面に星条旗の模様がはいった携帯電話をつかみだした。

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